エピソード SO-315


ここは、とある都会のビルの影。
誰も気に留めない視界の外れ。
意識のはしっこ。


取りこぼされた夢と現実の漂流先にも、ささやかな物語があるのだ。



  • スパイ

ザザッ...「こちらSO-315、繰り返す、こちらSO-315。今から敵地に潜入する」
物陰に潜み、じっくりと機をうかがう送水口。
その眼光は鋭く光り、若いながらも機知縦横、冷静沈着であることが見てとれるだろう。





  • 任務失敗

「む、その赤いプレート!貴様そこで何をしている!!」
「…!しまった……」
順調に進んでいた諜報活動だが、一瞬の隙が命取りになったようだ。
誰かに見つかってしまっては、もうおしまいなのである。
「さあこっちへ来い。何を企てているのか、全部吐かせてやる」





  • 水攻め*1

足下からじわじわと迫り来る恐怖が、もう首元までやってきている。
見渡す限りは葉っぱの海だ。
あわや送水口、いやSO-315、お前はこのまま溺れてしまうのか!





  • 脱出

「ふう、もうだめかと思ったよ」
どのような手段を使ったのか、見事に敵を欺き、華麗なる脱出を果たしたSO-315。
セリフとは裏腹に、その顔はどこか余裕を滲ませている。





  • その後

ザザッ...「こちらSO-315、繰り返す、こちらSO-315。目的のものを手に入れた。今から帰還する」
同じ失敗は決して繰り返さない、それがSO-315のプライド。
今日も人知れず、ビルとビルの狭間で暗躍しているのだ。



この物語はフィクションです。*2
実在の人物・団体とは関係がありません。






  • おまけ


放水口撤去のため 連結送水管 使用不能

安らかに眠りたまえ。
ごくろうさま。

*1:いや、水ではないのだけれども。

*2:妄想の意