送水口


送水口、というものがあります。

たいがいは、大きなビルの入り口に佇んでいるか、もしくは壁にくっついていたりします。

なんとなく「ああ、あれね」と思い出す方もいるかもしれません。



送水口は、“もしものとき”にしか使われません。

大きな建物が火事になってしまったら、消防車でも外からでは水はなかなか届きませんよね。

そこで、送水口から建物の中に水を引き込んで、室内を消火します。

“もしものとき”はめったにありませんから、ひょっとしたら一度も使われずに役目を終えてしまう送水口だってあったかもしれません。

暑い日も、寒い日も、雨の日も、風の日も、送水口はじっとそこで待機しています。

だから、年月を経る度に、送水口は金属特有のなんともいえない風合いに変化していきます。

真新しいきんぴかの送水口もきれいですけどね。


この日記では、送水口に魅せられたki_mu_chiが、その想いを綴っていきます。

どうぞよろしくお願いします。