過保護すぎる守り方

街歩きをしていると、ときには「こいつは普通じゃないな」というケースに遭遇することがある。
民家の隙間という隙間にビニール袋が押し込まれ、ブロック塀にマジックでバカバカバカと書かれた物件。
「これを動かさないでください」と書かれて花とチラシが突き刺さっている壊れたパイロン。
ゴミを捨てるとタタリや天罰があるとはっきり書かれた呪詛看板。


一概には言えないけど、そういうののほとんどは何かを守ろうとしている。
それらと同一に語ると語弊があるかもしれないけど、送水口も過剰な防衛をしていることがある。


問題の送水口。


近くで見ると独特の様相に気がつく。


テプラだ。


最近貼られたと思われるものから、劣化の激しいものまで、地面にも容赦なくテプラで警告している。
あ、地面にもテプラ貼っていいんだ、と思った。
そしてなんかこう、様々な苦労の末にエスカレートしていったんだろうなということも思う。


有刺鉄線が張り巡らされ、見る者をひるませる。


肝心の送水口はなかなか見えず、うなじがちらりと覗く。
いばらに囲まれた花のようだ。うかつには近づけない。



正面。プレートのおかげでようやく存在を感じることができるほどの隠蔽っぷり。
衛兵パイロンたちが頼もしい。


背伸びをして上からカメラを入れると、しれっと涼しい顔でたたずんでいた。おお姫よ。


きっとここのオーナー(?)は、ところ構わず駐車をしゴミを投げつける極悪非道の無法者たちから送水口を守るために*1必死になった結果、
テプラという精神的防御や、有刺鉄線やパーテーションといった物理的防御に及んだのだろう。
過保護かもしれないが、おかげで送水口はとても平和そうだ。


海の近くということもあり、潮風を少しでも避けて長く美肌を保ってほしいと願う。
(すでにちょっと荒れ気味?)



<お知らせ>

2014年8月30日(土)18:30からミューザ川崎にて
送水口ナイト】を開催することになりました。

参加方法など、詳しくはFacebookページへ!

*1:それと後ろの隙間を守るために