送水口ナイト ご報告
終わってから言うなよ感がすごいですが、8月30日に「送水口ナイト」に参加いたしました。
送水口ナイト実行委員会*1
主催は「送水口倶楽部」のAyaさん!
先日伺った村上製作所の村上社長の強力なバックアップもあり、実現しました。
いやーまさか、自分が送水口をテーマにしたイベントに参加できるとは思いませんでした。
ちなみにチラシとFacebookロゴを作らせていただいたりもしました。
チラシはマニアパレルさんがTシャツなどの発送と一緒に配ってくれたそうです。とても感謝です。
発表もしたのですが、緊張しすぎて「話そうと考えていた内容のうち、なにを喋って、なにを喋らなかったか」が思い出せません…。
がんばって作ったスライドは幸いなことにご好評をいただき、下手な喋りをカバーできたので良かったです。
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準備段階では、Ayaさんと「路上散歩備忘録」の鉄子さんの3人で、会場となる川崎の街で送水口を求めて徘徊歩き回りました。
当日はそのときに撮った写真を使って、「東京蓋散歩」のパパさんを司会に向かえ座談会を行いました。
感動的だったのは、村上社長のプレゼン。
手作り送水口紙芝居の生朗読、しかもBGM付き!
絵はもちろん社長制作です。かわいい!
送水口に携わる会社の社長がこんなふうに描いていいのか!という自由さと、
でも最後には送水口の大切さが分かるようなすばらしい内容になっています。
動画がYouTubeにアップされていますのでぜひご覧ください。
サイヤとミーズ8
Ayaさんの発表は安定のクオリティ。
内容はめっちゃ濃いのにとても分かりやすい!さすがです。
送水口ロゴとメーカーをつなげるクイズで、お客さんをくぎづけにしていました。
会場には先日Ayaさん達によって救出された村上送水口の現物も登場。
本体14kgだそうです。あんな重いものが壁についているのかと改めてビックリでした。
「べびすや」の金谷さんからは、1/6送水口の制作秘話や、
回り回ってたどり着いたという1/1(実寸大)送水口鞄の試作品発表などがありました。
送水口ナイトで紹介させて頂いた「送水口鞄」です。
サイズは実物と同じ。
本体と左右連結部の三カ所にチャック式の収納部があります。
#送水口ナイト pic.twitter.com/o1912yTE5T
— おでこし(金谷)ドルショ4D17,18 (@38beem) 2014, 9月 1
「送水口鞄」の使用イメージ。
背負う他にワンショルダー、ヒップバックにする事も出来ます。
欲しい方がいるようでしたら製品にしてみたいなぁ…とw
#送水口ナイト pic.twitter.com/Omj0tzSJc6
— おでこし(金谷)ドルショ4D17,18 (@38beem) 2014, 9月 1
送水口鞄ほしすぎ。
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当日、後ろの壁に展示していただいた写真とキャプション5点
1 「送水口T」の元ネタ[撮影場所:東京都中央区][撮影日:2010.11.7]
送水口のイラストが描きたいと思い、見本になる写真として選んだのがこの送水口でした。
「写真映りもいいしイラストに起こしたら良さげ」が選んだ基準。残念ながらもう現存していません。
描いた絵をTwitterで発表したらマニアパレルに見つかり、ちゃっかりTシャツ化していただきました。
2 トマソン送水口[撮影場所:東京都江東区][撮影日:2011.9.17]
口の中を塞がれて使用不可能な状態ですが、壊されることなく残されている送水口。
壁の裏に回っても送水管はありません。まだらの緑青と壁の朱色とのコントラストが美しいです。
「超芸術トマソン観測センター」へ報告し、2013年に行われた新宿眼科画廊『大トマソン展』では報告ナンバーGT130069で展示していただきました。
3 カプセル用送水口[撮影場所:東京都中央区][撮影日:2012.2.11]
黒川紀章が設計し1972年に施工した「中銀カプセルタワービル」のカプセル用送水口。カプセル用!
ちなみに右に見えているのは事務所用送水口と書かれていました。
カプセル部屋が古くなったらはずして新品と交換できるというコンセプトの建築ですが、さすがに送水口はそうでもなさそうです。
4 ふれあい送水口[撮影場所:東京都北区][撮影日:2011.5.15]
お年寄りと送水口が触れ合っているほのぼの写真です。おじいさんはしばらく送水口につかまり休んでおられました。
そっと頭を貸す送水口、信頼を寄せるおじいさん。そこには何人たりとも邪魔できない美しい風景がありました。
5 カスタマイズ送水口[撮影場所:長野県長野市][撮影日:2014.5.6]
見た瞬間「ゾンビ!」と思いました。目が片方飛び出ているようで…。
年季の入った本体と銀色ぴかぴか部分のギャップがたまりません。
場所はショッピングプラザなのですが、後ろのほうにいた知らないお父さんと子供の親子にひそひそ話をされたので、
わざとらしく「うわーかっこいー!」と言いながら撮りました。
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帰り際には村上製作所から、村上マークを模したボタンのおみやげがお客さんに渡されました!
シャツに縫い付ければ、誰でもたちまち送水口に!
私もいただいてしまいました。
当日はいろいろな方に来ていただき、本当にありがとうございました。
発表者の視点もそれぞれ違い、送水口の大切さ、すばらしさ、重要さ、かわいらしさなど、
様々な面を知ることができたと思います。
今後、個人的には本を作りたいとずっと思っていて、
来年あたり実現していけたらなと思っています。
おしまい
過保護すぎる守り方
街歩きをしていると、ときには「こいつは普通じゃないな」というケースに遭遇することがある。
民家の隙間という隙間にビニール袋が押し込まれ、ブロック塀にマジックでバカバカバカと書かれた物件。
「これを動かさないでください」と書かれて花とチラシが突き刺さっている壊れたパイロン。
ゴミを捨てるとタタリや天罰があるとはっきり書かれた呪詛看板。
一概には言えないけど、そういうののほとんどは何かを守ろうとしている。
それらと同一に語ると語弊があるかもしれないけど、送水口も過剰な防衛をしていることがある。
最近貼られたと思われるものから、劣化の激しいものまで、地面にも容赦なくテプラで警告している。
あ、地面にもテプラ貼っていいんだ、と思った。
そしてなんかこう、様々な苦労の末にエスカレートしていったんだろうなということも思う。
肝心の送水口はなかなか見えず、うなじがちらりと覗く。
いばらに囲まれた花のようだ。うかつには近づけない。
正面。プレートのおかげでようやく存在を感じることができるほどの隠蔽っぷり。
衛兵パイロンたちが頼もしい。
背伸びをして上からカメラを入れると、しれっと涼しい顔でたたずんでいた。おお姫よ。
きっとここのオーナー(?)は、ところ構わず駐車をしゴミを投げつける極悪非道の無法者たちから送水口を守るために*1必死になった結果、
テプラという精神的防御や、有刺鉄線やパーテーションといった物理的防御に及んだのだろう。
過保護かもしれないが、おかげで送水口はとても平和そうだ。
海の近くということもあり、潮風を少しでも避けて長く美肌を保ってほしいと願う。
(すでにちょっと荒れ気味?)
<お知らせ>
2014年8月30日(土)18:30からミューザ川崎にて
【送水口ナイト】を開催することになりました。
*1:それと後ろの隙間を守るために
ハットする送水痕
見た瞬間うわー!と声を上げて、目が宙を彷徨いました。
レンガ風タイルという虚空を。
いや、タイルなんかどうでもいい。あるはずのところに送水口がない!
みごとに封印されていました。帽子みたいな形。
マエザワさんロゴは濁点が下に落っこちていて味わいがあります。
文明のリッキー(PCです)で検索したら前澤化成工業株式会社という企業さまが引っかかってきました。
塩ビが主原料の上下水道関連製品を主に取り扱っていると書いてあったけど、
このキャップは塩ビじゃない気がする?
陽を浴びて 渋く輝く 送水痕(そうすいこん)
「かつて送水口があった痕跡=送水痕」という素敵ネーミングは、
『タイポさんぽ』*1の藤本さんにTwitter上でつけてもらいました。
ニューバージョンは奥にいらっしゃいました。
ニューのほうも角張っていてかっこいいです。
*1:すごい本です
マニアパレル「送水口T」再販の受け付けがスタートしました!
ちょうど昨年5月、この世に生み出されたモバイル送水口*1こと「送水口Tシャツ」が、
一年の時を経て復刻することになりました!
マニアパレル|maniapparel:【連結送水管送水口T】通販最終リリース
イラストは私が描いています。
これが、デザイナー小林の手により、
じゃ〜ん!すてきなTシャツに大変身!
さらに今回は、ふんわりかわいいガールズTシャツと、
印刷の版が廃棄されるため、
今回を逃したらもう手に入らない可能性大です。
10着分のオファーで実制作が決定するそうなので、
ぜひともご注文ください!
オファーは下記のリンクからお願いいたします。
マニアパレル|maniapparel:【連結送水管送水口T】通販最終リリース
私は「ブラック外壁色」と「ネイビー外壁色」を持っているので、
今回は「ホワイト外壁色」に挑戦しようかと思ってます。
欲しい白。
(ヤミラさんの写真をお借りしました)
今年の夏は送水口と過ごしましょう!
*1:いつもは動けない送水口を街に連れ出そう!
単口おばけ
単口みーっけ、とうきうきしながら近寄って、思わず悲鳴を上げそうになった。
うわー!一つ目おばけ!
ではなく、なんと口の中に木のようなものが埋め込まれていた。
よく見ると布も巻かれているようだ。
フタの名残?のようなべったりとした素材も気になる。
見慣れない異物感に背筋がぞわぞわ寒くなる。
口の上部はややへこんでいた。
妖怪っぽさに拍車がかかる。
よくお寺とかの古い石塀に苔がついて、そこから植物が生えてるのを見かけるけど、
この送水口からも草が出たらちょっと癒し系に寄っていいんじゃないだろうか。
いや、私にとってはどの送水口も癒し系だ。
ちなみにこの建物は東京大西造花装飾さんという会社が入っているので、*1
やろうと思えば草を生やすどころか、枯れ送水口に花を咲かすことも容易いはずである。
村上製作所さま見学レポート
送水口を撮り歩いている人なら必ず目にしたことがあるはず!
ぐるぐるした独特のマークの正体を、送水口の先輩ayaさんがついに突き止めたのが先月のこと。→送水口倶楽部
ちなみにこの記事のめり込み送水口も村上製作所マークでした。
そしてなんとなんと、その村上製作所さまの見学イベントがあるとお誘いしていただき、新橋の事務所にちゃっかりお邪魔してきました。
私なにもしてないのに…有り難いです。
村上製作所さま、名前からして最初は送水口工場のような場所を想像していたのですが、うかがってみると普通の(?)居心地の良いオフィスでした。
案内をしてくださった代表取締役の村上善一氏は3代目で、会社ではすでに生産は行っておらず管理に専念されているということでした。
イベントは写真撮影OK、ブログもどんどん書いて!ということでしたので、お言葉に甘えて書かせていただきます。
隣に置かれていた謎のコロッケ定食。これについて伺うのを忘れてしまった…
階段に掛かっていた人物画や、先代の肖像画も村上氏がご自分で書かれたと仰っていたので(めっちゃ上手)、これも手作りなのかな。
うれしいウェルカムボード!
普段は屋上で行うビヤガーデンの来客用に使っているらしい。素敵すぎます。
事務所に入る前からグッと心を鷲掴みにされてしまいました。
中に入って軽く自己紹介をし(ちなみに参加者は7名)、着席をしたら、目の前に広がる送水口のバラバラ死体パーツ。
普段の街歩きで送水口の中身を見ることはないので、無造作にさらされた姿に嬉し恥ずかしな気分です。
袋から出したところ。
ドライバーも用意されていてさらに分解する気満々。
実際に持たせていただきました。
送水口の重さ、なんて今まで一度も考えたことなかったけど、重いです。
衝撃的でした。ほんと重い。手ぷるぷるしてます。
足の上に落としたらきっと骨折するし、いい漬物石になる(しちゃダメ)。
このでっぱりがあったら村上製作所の送水口です。*1
途中でスペシャルゲストとして、村上氏のご友人であり長谷川鋳工所代表取締役社長の長谷川善一氏がいらっしゃいました。
この本、よだれの出るようなかっこよさです。。
村上氏撮影の送水口写真上映会。
まさかのスライド映写機!小学生の頃に見たことがあったかどうか…
これでがっしょんがっしゃんと鑑賞するのですよ。とても贅沢。
「東京タワーと一緒に写したくて、後ろの花も変わるし、背景に人を入れないようにしたから、7週間くらい通って撮りました」*2 す、すごい!
カメラもご趣味にされているとのことで、自社製品の一番かっこいい姿を残したいという愛と強いこだわりを1枚1枚それぞれに感じました。
送水口ドアップではなく、周りの環境も含めて撮っている写真が多いのが印象的でした。
あとマンホールが写ると長谷川氏が「これはうちのだ」「これは違う」と横からコメントされていて、お二人の掛け合いもばっちりでした。
パカッと外れたように見えますが、実は固かった?ようでかなり力を入れてひねっていました。
おもむろに「足で踏んづけてぐっとひねるホースの粋な組み立て方」を熱演する村上氏。
今回はマンホールコースターや、送水口ブローチの作者である金谷氏もいらっしゃっていました。
「それなら」ということで、村上氏ノリノリで撮影用スペース設置。
初めに「普通の(?)オフィス」と書いたけど、すぐにこんなセットが出てくるのはあまり普通じゃないかも。
こちらではayaさんが用意したロゴマーク一覧とにらめっこ。
メーカーが判明していなかったロゴも、村上氏のおかげで続々判明!
一同大興奮です。
(この結果はきっといつかayaさんが記事にしてくださるでしょう…)
あのロゴマークもばっちり載っている!
実現しなかったという幻のスタンドV型…
これから先つらいことがあったら、スタンドV型が存在したパラレルワールドに思いを馳せて生きていくことにします。
このページはB全ポスターにして部屋に飾りたいくらい好きになってしまいました。
もうため息しか出ません…
こういう冊子もありました。
おみやげにといただいた古いパンフレットもそうなのですが、英語表記が多いです。
あと印象に残っていることは、アクリル蓋について。
私はてっきり新しい技術なのだと思っていたのですが、現在は使わない傾向にあるらしいです。
アクリル蓋を割ったときの破片が内側からホースを破いてしまう危険性があるのだとか。
地域ごとに送水口の特色を生むローカルルール(条例ですね)の話も出て、興味深かったです。
設置後のメンテナンスの手間やコストを抑える工夫など、各メーカーのこだわりの話も面白かった!
夜に予定があったので私は17時過ぎに泣く泣く抜けましたが、
このあと屋上にも登ったりしたそうです。うらやましい!
とても刺激的で濃厚な時間を過ごしました。夢のようです。
村上さま、長谷川さま、そしてayaさん、一緒に参加されたみなさま、
本当に本当にありがとうございました!!
送水口レベルが少し上がった気がします。